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総合法令出版

「富裕層のNo.1投資戦略」特設サイト

高岡 壮一郎(ヘッジファンドダイレクト株式会社 代表取締役社長)著

第2章 投資家のスタイルに関する7つの考察

Column2. 起業(2005年~)

2000年初頭、私は入社3年目になり、当時の花形であった情報産業本部に異動した。新規事業の立ち上げや、ベンチャーへの投資、数百億円の企業買収・合併等にも携わった。ビジネス界隈で華々しく取り上げられる合併や買収。アドバイザーではなく、その主体者である「中の人」として関わって私が感じたことは、M&Aとは、B/S上の現金と連結P/L上の業績を入れ換える単なる交換取引だということだ。顧客を創造するための真の工夫や努力は不要である。

自分が関わった案件に限らず、他の事例を調べてみても、シナジー効果とされる「規模の経済によるコスト削減」や「相互補完とクロスセリングによる売上増」等が実現する例は少なかった。将来実現するだろうという期待だけで株価が上がるわけだから、株主から経営を委託された上場会社経営者がM&Aに頼るのは必然だが、2つあった同業企業が1つに合併したところで、慌てるのはポストを失いたくない中間管理職たちだけで、顧客にとっても社会にとっても、正直どうでもいいことだと思われた。巨額の資金が動き、派手でハイエンドであるとされるM&Aの仕事を通じて、数字合わせのようなビジネスの虚構性にも触れたことは逆に、経営の本質とは何かを考えるきっかけになった。

合併後に利益を出すためにリストラをするシーンにも直面した。売上を上げるのは努力や工夫が必要だから、簡単に利益を出すには人件費を削ればいい。経営者はそう判断するだけで、手を下すのは別の人だ。しかし、リストラされる人には家族がいる。一般論として、利益を10億円出すためにはざっと100名をリストラすればいい。ところが、大企業の利益がわずか10億円上がったところで、それで得られる株主のリターンは微々たるものであったりする。リストラを実行した経営者の年俸がそれでいくらか上がるのだとして、わざわざ100名もの生身の人間を困らせてまでして本当にお金が欲しいのだろうか。

若手商社マンとして、本社上層部や関係会社経営陣のかばん持ちをしながら、投資やM&Aに関わり、門前の小僧なりに、本物の経営の本質とは何かについて、自分なりに考えるようになった。自分だったら、事業を通じて何かリアルな付加価値を生み出したい。社員を豊かにしたい。世の中に対して良いインパクトを与えたい。

同じ頃、シリコンバレーで新しいムーブメントが生まれていた。成熟した先進国の主役は新しいベンチャーであり、ベンチャーがイノベーションを起こし、社会を変革するという。現在は、ハーバードMBAの卒業生の半分が15年以内に起業すると言われているが、その萌芽がちょうどこの頃から始まっており、米国エリートが目指すのは大企業ではなくベンチャーになりつつあった。インターネット関連企業が日本でも生まれ、新設された東証マザーズ市場に上場するようになっていた。ベンチャー企業の創業者は上場により大金を稼ぐが、それは新しい価値を生み出し、世の中を革新したことの対価であるとして、社会からリスペクトを得ていた。米国ベンチャーと仕事で接点を持った私はその風を感じて、自然とベンチャーに魅かれていった。

会社で新規事業を考える仕事をアサインされて、各種の統計を調べていると、2005年から日本の人口が減るということがわかった。日本は、時代の大きな転換点を迎えていた。人口増加社会の中では大企業が大量生産・大量消費を牽引してきたが、人口減少社会に変わると、従来型の社会のひずみが顕在化して、社会的な課題が発生する。

その解決がビジネスチャンスだと考えた。自身もちょうど30歳に差し掛かった。「三十にして立つ」である。

2005年8月にアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社(現あゆみトラスト・ホールディングス株式会社)を仲間とワンルームマンションの一室で創業した。

外資系戦略コンサルタント、大学時代の同期、仕事で知り合った会計士と一緒に、ノートPCと携帯電話しかない狭い部屋で一心に働いた。

コピー機をリースしようとしたら新設企業は信用がないからと断られたり、何かを売りに来た営業マンがオフィスを見て同情した顔ですぐに帰ったりした。それが楽しいと思ってくれるような仲間と一緒に朝早くから深夜まで働き尽くしで、本当に楽しい日々だった。当時は起業自体が珍しかったので、31歳というだけで『フォーブス日本版』に大きく取り上げられた。

起業の目的は社会的課題の解決であった。社名の由来は、アブラハム・マズローである。この学者は「欲求の5段階説」を唱えていて、人間は衣食住が足り、社会的承認が満たされると、最後は自己実現を求めるようになるという。人口減少社会で供給過剰な社会では、自分らしさや、自己実現こそが人々が求めるものであるから、それを応援したいという趣旨でその社名とした。

当時の日本の一番の課題は不景気であった。「失われた10年」と呼ばれて日本全体に活気がなく閉塞感が漂っていた。そこで、人口が増えている富裕層に目をつけた。日本の金融資産の約20%は上位1%の富裕層が保有しており、富裕層の投資と消費が活発になれば、経済全体が活性化する。創業まもない小さい会社が社会にインパクトを与えるには、富裕層をターゲットにすれば社会全体に大きな影響を与えることができると考えた。

人口減少下の日本において、中国や新興国と同じくらいの増加率で増えていたのが「富裕層というセグメント」で、当時の日本で稀に見る将来有望な成長分野であった。

富裕層のニーズを調べるべく起業前後に六本木ヒルズレジデンスに住んだ。当時はIT起業のIPO長者や外資系企業で高額のボーナスをもらった連中が六本木に集まっており、ヒルズ族と呼ばれていた。

私は知人に誘われて六本木にデビューした。それまでは銀座のソニービル周辺か、大手町から神保町あたりが庭であり、六本木は危ない場所だと思っていて近づかないようにしていた。恐る恐るついていくと、芸能人や女性タレントをはべらせながらパーティをする世界が本当にあった。紅白歌合戦で見た歌手や、バラエティに出ている芸人がいた。中心には慶応幼稚舎出身の大企業グループの御曹司がいた。流通・建設・交通という、当時オールドエコノミーと呼ばれていた大企業の創業家で、二世・三世の20代若手経営者たちである。当時、これらの企業は巨額の負債にあえいでおり、不良債権問題で銀行から貸しはがしを受けようとしていた。派手に見えた御曹司たちの内情を聞いて驚いた。

老舗大企業の二代目・三代目の御曹司たちはオールドリッチと呼ばれていた。オールドリッチ一族は負債が多く、資産は土地や自社株のため、投資や消費に回す余力がない。実際に羽振りが良いのは、当時30~40代のITで起業したIPO長者や、美容整形で富を築いた医者、外資系企業幹部らであり、彼らは「ニューリッチ」「新富裕層」と呼ばれていた。

映画『君の名は。』のプロデューサーとして有名な川村元気氏が『億男』という富裕層を扱った小説を発表した際に対談をさせていただいたのだが、川村氏は「富裕層が他人に持つ不信感」を描いていた。当時の私も同じものを感じていた。富裕層は孤独であり、信頼できる富裕層同士のネットワークが求められていると感じた。そこで、金融資産1億円以上の富裕層限定のオンライン・プライベートクラブYUCASEE ( ゆかし)を創った。

これが『日本経済新聞』やNHKに取り上げられ、大きな注目を浴びた。

2006年に誕生したYUCASEE ( ゆかし)は純金融資産1億円を有するかどうかの審査をした。純金融資産とは、負債を差し引いた後の現金や有価証券を中心とした純資産である。一見富裕層に見えるけれど実際は負債の多いオールドリッチは経済活性化の主体になりえないと考えて、あえて「純」金融資産1億円以上の富裕層に限定したのである。

ぞくぞくと30代から50代の新富裕層からの入会があり、瞬く間に日本最大級の富裕層コミュニティになった。フェラーリやUBS銀行等富裕層に商品を宣伝したい大手企業がスポンサーとなった。会員のニーズに合った情報を幅広く提供する広告・メディア事業を営む中で、YUCASEE ( ゆかし)は富裕層に関する各種情報が日本一集まるプラットフォームとなり、その知見を企業に提供するコンサルティングも提供するようになった。創業初年度から付加価値の高い高収益の黒字事業に成長した。

富裕層のニーズをつかみ、彼らの要望を叶えるサービスを創ったり、富裕層に商品を売りたい大企業にコンサルティングを提供するのが仕事であったから、職業的な観点から消費を実施した。実際にフェラーリを買い、パティック・フィリップを持った。トゥールダルジャンでデギュスタシオンを味わい、フィレンツェのヘルヴェティア&ブリストル、モルディブのワン&オンリー、パリのル・ムーリス、北京の釣魚台国賓館をはじめ、世界各国の上質なホテルを巡った。

そんな生活は一度体験してみて、30代前半の好奇心が満たされればもう十分で、30代後半ともなると、車はなし、時計はiPhone、趣味は仕事と読書へと落ち着くのであった。別にモノの「放下」を尊ぶ清貧の思想や、世俗を否定するキニク学派の哲学者ディオゲネスを気取っているわけではない。ボードリヤール的な「記号的消費」を追求しようにも、記号が頭に入らないのであった。私にとって高級品は猫に小判、あくまでビジネスにおける研究対象だと、一度経験してみてわかったのである。

富裕層のデータを分析していると「富裕層ほど海外ファンド、特にヘッジファンドに興味がある」というファクトを発見した。衣食住あらゆるアイテムと比較して、海外ファンドへの興味が圧倒していた。富裕層が好きなのは、消費ではなく投資であることを知った。よく考えれば当たり前だ。貯金と消費をしているだけでは、富裕層に留まれないではないか。

当時「本当の富裕層は資産保全が第一で、高利回りには興味がない。リターンを追求するような富裕層は、本当のお金持ちではない」等と評論家が語っていた。しかし、それは60代・70代のオールドリッチに限っての話であり、40代・50代の現役世代の新富裕層は、資産運用に積極的である。その事実をビジネス界隈が理解していないことに気がついた。

そこで、グループ子会社として富裕層向けに投資情報を提供していたアブラハム・インベストメント株式会社の商号をアブラハム・プライベートバンクに変更した上で、海外ファンドに関する情報提供を専門にする投資助言業として金融庁に変更登録し、2008年に営業を開始した。(コラム3に続く)

ベストセラー御礼 本文一部公開中

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富裕層のNo.1投資戦略 ヘッジファンドダイレクト株式会社代表取締役社長 高岡壮一郎著

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タイトル 富裕層のNo.1投資戦略
著者名 高岡 壮一郎
ジャンル 投資/資産運用
サイズ 四六判上製
頁数 372P
ISBN 978-4-86280-544-7
税込価格 1,944円(本体1,800円)
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タイトル 富裕層のNo.1投資戦略
著者名 高岡 壮一郎
ジャンル 投資/資産運用
サイズ 四六判上製
頁数 372P
ISBN 978-4-86280-544-7
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